- 更正の請求とは…
個人や法人が確定申告をした際に、納税額を過大に申告してしまった時(または還付を受ける税額を過小に申告してしまった時)に、その後に行う納税額を減らす(つまり税金を返してもらう)ための手続きのことです。
ちなみにこれは「請求」であるため、更正請求書を提出したあとに、税務署内で内容に関するチェックや調査が行われ、その結果適正と認められた場合は、税務署が「減額更正」を行い、その結果として税金が戻されることになります。
間違えは誰にでも起こりえるため、これは納税者が持つ権利として認められています。しかしながら、無期限にこの権利が認められているわけではなく、期間的な制限や一定の手続きが要求されていました。
今回の改正においては、それら期間的、手続き的な制限の中の一部について以下のような変更がなされました。
- 改正のポイント
- 期間の延長
特別なものを除き、以前まではその更正の請求が行える期間が法定申告期限から1年でした。それが改正により下記の通り延長されました。
※ 移転価格税制の場合は6年、純損失等の金額の更正は9年
- 所得税、消費税、相続税 1年→5年に延長
- 贈与税 1年→6年に延長
- 法人税 1年→5年に延長(※)
なお、平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について適用されます。
- 当初申告要件の廃止
一定の特例の適用については、最初に提出する申告書でその規定の適用を受ける旨及びその金額を記載していないと、その後その特例等に関しては更正の請求ができないなどの制限がついているものがありましたが、改正によりその制限がなくりました。
具体的な適用項目については国税庁のHPを参照してください。
- 控除額制限の見直し
一定の特例では、控除を受けれる金額の限度が、最初に提出するの申告書で記載した金額を超えられないことになっていたのですが、改正によりその制限がなくなり、当初申告の金額にかかわらず、適正に計算した金額までの控除が受けられます。
具体的な適用項目については国税庁のHPを参照してください。
- その他
- 納税者からの請求だけではなく、税務署が行うことができる「増額更正」等についても、期間的制約があったのですが、以下のように延長されています。
所得税:平成23年分から3年→5年に延長
相続税:平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来するものから3年→5年に延長
消費税:平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来するものから3年→5年に延長
贈与税:変更なし(6年)
法人税:変更なし(5年)、ただし純損失等の金額にかかる更正は7年→9年に延長
- 更正の請求に際しては、更正の請求の理由の基礎となる「事実を証明する書類」の添付が必要となります。(平成24年2月2日以後に行う更正の請求について適用)
- 偽りの記載をして更正の請求書を提出した者に対する罰則が設けられました。(平成24年2月2日以後に行う更正の請求について適用)
- その他の詳細については国税庁のHPなどを参照してください。
【ご注意】
- このページは平成24年2月18日現在の法令等の状況に基づいて作成されています。
- 内容は法令の抜粋であり全てを網羅しているものではありません。これ以上の詳細についてはお問い合わせください。